2015年8月26日から28日の3日、東京ビックサイトにおいて開催されましたJAPAN JEWELLERY FAIR 2015に出展して参りました。
チャイナショックで世界が混乱している。今月11日より始まった中国人民銀行の人民元の切り下げにより、中国経済は元切り下げによる輸出テコ入れが必要なほど厳しい状況にあるとの見方が強まりました。中国経済の減速懸念が強まり、主要な消費国である中国の景気が失速すれば、原油の供給が一段と緩みかねない事から原油の先安感もますます強まりました。この事を受け、新興国の自国通貨の切り下げ競争や世界同時株安の様相を帯びてきました。新興国通貨に関しては、ベトナムが中国の動きに合わせて2度のドンの切り下げを行なったものの、FRBがそう遠くない時期に利上げに踏み切る可能性が高く、そうなれば新興国から資金の流出が加速する為、人民元切り下げに怯えながらも、自国通貨安に踏み切れずひとまず静観状態にある様です。
しかし、新興国各国は日米欧の金融緩和によるマネーの流入、中国の需要拡大、資源相場に支えられてきた為、その三本柱を失いつつある現在不安は拭い切れません。それに対し、世界同時株安は止まりません。人民元切り下げの影響を受けて始まった世界同時株安は、24日の上海株急落を受けて更に加速しました。中国と地理的に近く、経済面の繋がりの深い国の下落は激しいものとなりました。日本においても、日経平均は6ヶ月振りの1万8000円台まで下落し、円は7ヶ月振りの116円台まで急騰しました。
アメリカにおいても、ダウ工業株30種平均で一時1000ドルの下落しました。そして、その後は激しい乱高下を繰り返しています。昨今の中国経済の減速を受けて投資マネーが中国から流出している様です。証券決済機関の中国証券登記結算有限責任公司( CSDCC )は前週の新規株式取引口座の開設が39万1500戸と前週比で26%減少したと発表し、世界の投資マネーが中国から流出する動きが加速している実態も浮き彫りとなりました。 現在の世界経済は中国経済の影響力がここまで強い以上、中国経済が更に減速し、中国不動産バブル、株式バブル崩壊に続き、投資マネーの流出、そして今後起こりうる要因によってどの様な影響を受けるのか予断を許しません。
この様な状況下で今回のジュエリーショーは開催されましたが、今回は現在の世界の状況を直に受ける形となりました。以前までの日本での開催のジュエリーショーにおきましては、日本の来場者の方々が少なくとも、海外、特に中国のバイヤーの方々によって賑わいを見せていました。しかし、今回は海外からの来場者数はかなり激減していた様に思われました。特に中国バイヤーの来場者数の減少が顕著で、今回の株式暴落の影響は大きなものであったのだと痛感しました。日本の来場者も少なく、JJFの賑わいとしては過去最低との声も聞かれました。来場者の方々の購買意欲も以前とは異なり、現状を静観される形で恐る恐る購入されると言う印象でした。購入されていた商品の多くは、手堅いダイヤモンド製品が多く、価格帯も高額品よりも中低額のものが多かった様です。
現在の世界情勢を受け、我々の商材にも影響が出ています。特に金、プラチナの下落、ダイヤモンド相場の下落が激しく、今後消費意欲の低下から、他の商材の相場に影響を及ぼす事でしょう。今後の展望を冷静に正確に見極めて行かなければ、現在の乱高下の状況を乗り切る事は出来ないでしょう。我々もご来場下さる皆様により一層、タイムリーな情報をご提供できます様、更に努力して参ります。この度、この様な状況下にも関わらずご来場頂きました皆様に心より御礼申し上げます。有難うございました。