香港国際ジュエリーショー 2023

期間
2023/03/01〜2023/03/05
会場
香港コンベンション & エキシビションセンター
ブース
3C-C01
展示会情報

 2023年3月1日より5日の5日間の日程でHong Kong Convention and Exhibition Centreにおいて開催されました HKTDC Hong Kong International Jewellery Show 2023に出展してまいりました。

 2月に入り多くの国で新型コロナウイルスに係る渡航制限が解除され、いよいよ世界で開国が始まり、コロナ禍が新常態化し多くの期待感が出てきた様に思われます。

 今回訪れた香港においても2月6日以降に入国する渡航者へのワクチン接種を撤廃し、新型コロナによる約3年にわたる渡航制限が廃止され、コロナ禍以前の状況にほぼ戻り、ゼロコロナからウィズコロナに一気にシフトしました。屋外や公共交通機関などでのマスク着用義務を除きほぼ緩和されているほか、ワクチンの接種回数に基づく各種施設への入場制限もなくなり、香港経済に対して好影響を与える形となりました。

 香港はかつては世界一の観光都市でありましたが、デモによる混乱と強制隔離を伴う新型コロナウイルス対策の影響で訪問者は激減しました。2019年まで10年連続で外国人の訪問が世界で最も多い都市でありましたが、2022年の訪問者は約60万人まで減少し、コロナ禍以前の2019年比で実に99%減となりました。厳しいコロナ対応が続き、観光都市としての香港の存在感は急速に薄れてしまい、世界観光都市ランキング2018年までの世界1位から2022年には世界36位まで落ちてしました。

 これに危機感を持った香港政府は2月から、中国本土を含めた全旅行者を対象にした総額20億ドル ( 約340億円 )の大型観光キャンペーンであるハロー香港を開始しました。これにより観光大国復活を目指すものの、コロナ禍で高級ブランドなどが中国本土での店舗投資を進めた事に加え、香港と中国本土との価格差が縮小傾向にあり以前より香港で買い物をする魅力は薄れてしまっています。

 コロナ禍により消費者の価値観も変わりつつあり、コロナを経て旅行者は単なる買い物から、現地での体験を求める様に変わりつつあります。政治や社会などあらゆる面で中国との一体化が進み、香港独特の自由な雰囲気が失われつつあり香港離れも進んでいます。すでに外資系企業はアジア拠点を香港からシンガポールなどに移す動きが広がっています。シンガポールを始め、タイ、フィリピン、インドネシアなどにおいても観光に力を入れ、海外からの旅行者の囲い込みを進めています。今後の香港のライバルは東南アジア諸国になるのかもしれません。

 今回我々も3年振りに香港を訪れましたが、以前ほどに街の活気はなかった様に思われました。以前によく行っていたお店や飲食店も廃業されているところも多く少し寂しさを感じました。しかし、渡航制限が解除された事により渡航者が徐々に増えてきており、今後に期待される声を多く聞く事が出来き、今後の香港の復活の兆しはある様に思います。日本は出遅れていますが5月には新型コロナウイルスの扱いを5類に引き下げる予定で、香港との往来が増え、国交の復活により両国がコロナ禍以前の状態となる事を願います。

 現在は世界の分断、経済のグローバル化が進む一方で地政学的な分断が進行しています。戦争下でありながら以前とは異なり、多くの貿易が行われているのが現在の特徴となっており、経済的な結び付きを断てば失うものがあまりにも大きいと各国が考えています。各国共に事情が異なり考え方も違うため、以前と比べると多極化が進んでいます。

 しかし、各国共に経済的な志向以外は内向きな志向に向かいつつあり、新型コロナによる世界の混乱、起きるはずがないと考えていたロシアによるウクライナ侵攻、深刻化する米中対立などの要因で世界は分断し、食料やエネルギーなどの価格が高騰しています。現代の形でグローバリゼーションが始まった1970年代と比べると世界の人口は2倍の80億人となり、世界の分断が進めばモノ不足となり、世界経済の成長の鈍化とインフレ進行という二重苦が進みそうです。

 今回の開国で民間人が世界を往来する事により、主要な大陸を取り込んだお互いが関係を結ぶグローバル化の復活となるのでしょう。その様な中開催された今回のジュエリーショーは驚く程の多くの来場者で賑わいをみせるショーとなりました。入場するのに数時間かかるほどで、3年振りに多くの海外からの企業が出展した事に加え、現在の状況をみたい方々で多くの来場者となった様です。

 特に日本の出展企業が集まるジャパンパビリオンでは通路を歩けないほどの来場者でごった返し、賑わいを見せていました。中国本土からのバイヤーが中心となり、久し振りの仕入れを競う様にされていました。以前からお越しのバイヤーで今回来られていない方々も多く、それでも今回の状況を考えると今後のジュエリーショーは更なる賑わいを見せる事が予想されます。各国共にインフレ、モノ不足の状況で今回のジュエリーショーの動向をみても、以前より高値で商材が取引されており、今後は更なる商材の高騰となるのでしょう。

 日本において現在では宝飾品の販売が低迷しており、今後はますます海外との相場のギャップが生まれそうです。多くの商材で小売の販売価格より高値で海外では取引されており、日本から海外へ商材が流れて行き日本国内から良い商材が消えてしまう可能性を秘めています。それ程までに今回のジュエリーショーはインパクトがあり、香港でのジュエリーショーの復活、そして今後の発展に期待感が持たれる状況となった様です。

 しかし、香港では4月1日商取引に関する規制が行われる事が決定しました。マネーロンダリングとテロ資金供与の断絶のため、香港以外国の貴金属及び宝石のデイーラーの現金取引に関して、香港税関および物品税局に現金取引報告書を提出する事が必要となります。HKドル120,000以上の取引がある場合申告義務がある様で、業界の商取引を考えると多くの場面で申告義務が発生する事となりそうです。

 香港企業ではない、香港に事務所がない、香港での活動が年間60日以上ない企業に適用され、ペナルティとして違反し有罪判決を受けた場合、HK50,000と3ヶ月の懲役が課され、今回賑わいを見せた多くの日本企業にも当てはまる事となりました。今まで香港のフリーポートにおいて規制がなく、自由に現金取引が行われる場面も多かった事もありましたが、今後は香港からの商取引における現金の持ち出しも厳しくなり、商談に影響を及ぼす事となりそうです。

 今回は大いに賑わいを見せた香港ジュエリーショーとなりました。6月、9月とまた香港でジュエリーショーが開催されます。今回の雰囲気であれば、次回のショーも大いに賑わいを見せる事となりそうですが、商取引に関する規制が実施され今後の動向が読みづらくなった様に思われます。復活を見せる香港、今年は大いに注目されます。今回多くの方々にお越し頂き、心から御礼申し上げます。有難うございました。次回の香港でのジュエリーショーでまたお会いしましょう。