新年あけましておめでとうございます。昨年は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。本年も変わらずよろしくお願い申し上げます。
2021年1月13日より16日の4日間の日程で、東京ビッグサイト青海展示棟において開催されました 第32回 国際宝飾展 ( IJT2021 )に出展して参りました。
昨年は新型コロナウイルス( COVID-19 )の世界的大流行により誰もが予想だにしなかった苦難の一年となりました。新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の生活様式や社会構造を大きく変化させ、世界の景色を一変させてしまいました。経済活動の急ブレーキや医療現場の逼迫を引き起こし、今以て予断を許さない状況となっています。2021年はコロナ禍の終焉が見通せない状況で始まりました。
コロナ禍により多くの問題が表面化し、その問題とどう向き合い改善していくかが今後の課題となりそうです。日本においては、デジタル化、雇用、産業構造の改革が世界に比べ遅れていること、世界においては米中対立、貧富の格差拡大、グローバル化の異形、民主主義や資本主義の揺らぎ、国際関係などの問題が表面化しています。
コロナ禍によりニューノーマルの新たな時代が到来し、それに合わせて変われるかどうかで今後の明暗が左右される状況となりつつあります。日本は世界に比べて研究開発や特許、著作権、デザイン、ソフトウェア、アルゴリズム、ビジネスモデルなどで遅れをとっており、世界に学ぶべきなのでしょう。
また、今こそイノベーションを起こし立場を挽回する為にも、コロナ禍で生じた逆境に立ち向かう企業、社会に役立つ企業、グローバル化の旗を降ろさない企業を目指す事でマーケットから選ばれる企業となり得るのでしょう。ニューノーマルの社会はこれまでの時間軸や人生観、死生観を破壊してしまい、企業に変革を迫っています。これまで以上のスピード感でマーケティング戦略の練り直しが求められている様に感じます。
米中対立の問題もコロナ禍の中で香港国家安全維持法が施行されたことにより、中国の強行措置に米国が強く反発し、これまでの貿易戦争や技術覇権争いにとどまらず、軍事上の安全保証分野にも広がりを見せ、米中関係が1979年の国交樹立以来最悪な状態となっています。この問題は我々の業界にも大きく影響が及ぶ事が考えられ、今後の香港におけるビジネスにも大きく影響を与えそうです。
1990年代から30年以上も続いてきたグローバリゼーションもコロナ禍により崩壊の瀬戸際にあります。世界で人とモノが自由に動き回れる構図が崩れ、グローバルサプライチェーンは寸断されつつあります。安全保障の論理が優先される状況下となり、モノを融通し合う構図は崩れ、モノを使って互いにドライな取引に各国が向かい医療用品までもが戦略物資に化てしまっています。
コロナ禍により世界の人々の日常は大きく変化してしまいました。いずれ収束しても元に戻る事はなく生活様式や国際関係まで、人々を取り巻く環境の変化は速度を上げてゆくのでしょう。そこから生まれるニューノーマルに備える、今年はその様な年になると思われます。
その様な状況下で開催された今回のジュエリーショーは、開催前も国内のコロナ感染者数が増加し、1都3県で緊急事態宣言が発令されるなど、状況はかなり悪く開催すら危ぶまれる程でした。出展を辞退する企業もかなり見られ、今回の会場は無人のブースも多く見られる少し間延びした状況となっていました。
来場者数も過去に例を見ない程少なく、海外からのバイヤーもほぼ無かった様に思われました。会期中には海外からの渡航者の受け入れを全面禁止となった事もあり、今後も暫くは海外からのバイヤーは日本に入国できなさそうです。今回会場で見られた外国人の方々は皆日本在住の方々でありました。
近年のジュエリーショーは海外バイヤー頼みの部分が大きく、今回の状況では、特に海外バイヤー向けの商材を取り扱う企業に影響を与え、会期2日目、3日目、最終日と日を追うごとにブースを片付けクローズしてしまう企業も出てしまう状況となっていました。しかし、全くダメだという事ばかりではなく今回この様な状況下においてもお越しいただいた方々は逆に元気な方が殆どでありました。
コロナ禍で仕入れが思う様にいかない方々、今を転換期と考えておられる方々は皆様仕入れ意欲旺盛でありました。弊社ブースにお越し頂きました方々をみましてもご購入頂く確率は今回が一番高かった様に思われます。日本在住の海外の方々も海外の現地の注文を探したり、ウィチャットライブの様なライブコマースを駆使して商談をするなどかなり忙しそうにされていました。
海外では日本よりもかなりネット環境が進んでおり、コロナ禍においてもネット環境での売り上げは好調の様です。中国などは5Gや電気自動車の蓄電池など、最先端の技術で世界のトップを走り、今後10年で1億人のペースで中産階級が増える様で、政治リスクもあり生産拠点としての魅力は薄れたものの、消費マーケットとしての可能性はまだまだ大きいと考えられます。
コロナ禍のニューノーマルにおいても新たな市場として注目され、結果を残しているのが、オンラインでのイベント開催や教育、インターネット通販など、その多くがデジタル分野となっています。企業の従業員が在宅で業務を継続出来るのもデジタル技術の恩恵と言え、全ての産業にとってその形は違えどデジタル化は待ったなしの課題となっています。
コロナ禍により多くの事が大きく変わってしまいました。我々の業界も大きく変わっていくのでしょう。今年も1年間皆様と共に大きな変化を乗り越えたいと考えております。今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。最後に、この様な非常に大変な時期にも関わらず弊社ブースにお越し頂きました皆様に心より御礼申し上げます。有難うございました。
尚、ジュエリーショー終了後、今回のジュエリーショーに参加しておりました弊社スタッフ全員のPCR検査を行い、全員が陰性であった事を報告させて頂きます。