第23回 神戸国際宝飾展(IJK)

期間
2019/05/16〜2019/05/18
会場
神戸国際展示場
ブース
D5-1
展示会情報

 2019年5月16日から18日の3日間の日程で、神戸国際展示場において開催されました 第23回 神戸国際宝飾展に出展して参りました。
 日本におきましては5月1日の新天皇の即位により、新しい元号「 令和 」となり政府や企業、個人に祝賀ムードが広がりを見せています。「 平成 」改元の時の自粛ムードとは異なり、街は賑わいを見せ、小売の現場において各産業でイベントが相次ぎ、消費が活性化するとの期待が高まっています。令和相場のご祝儀買いが膨らみ、新しい時代の経済の活力になればと願います。

 ただ平成は昭和の成長の時代から一転、バブルが弾けた後は過去の成功体験を引きずり、有効な手段を打つことが出来ず停滞の時代となり、経済が低迷し雇用や所得が減少し人口減社会となりました。このツケにより日本では今後の更なる少子高齢化となります。そして、更なる日本の国際的地位の低下や財政の悪化を招くのでしょう。少子高齢化は我々の業界にも影響を与え始めています。小売の現場において高額な商品を購入される方は高齢な方が多く、その年齢も段々上がってきており商品自体が必要でなくなる年齢にまでなりつつあります。また、小売のお店も事業承継において後継者不足による廃業や業績不振による倒産も目立ち始めています。

 この流れはますます深刻なモノとなるのでしょう。日本の産業界は戦後復興した順に頂点を極めて衰退していきました。石炭産業、繊維産業、鉄鋼産業、造船業、金融業、電機産業の順に、そして次は自動車産業や新聞業界などのメディア業界とも言われています。この様な大きな産業でさえいずれ衰退を迎えています。我々の業界はもっと小さな業界で、この傾向は避けて通る事は出来ないと思われます。しかし、衰退を迎えるもののゼロにはならず、各産業共に形を変え存続しています。

 我々の業界も1つの時代が終わり、新たな時代へと変わって来ています。宝飾専門店の小売の現場で販売は年々縮小しているものの、宝飾品の商材の相場は下がるどころかむしろ上昇傾向にあります。海外での宝飾品の需要や、日本における宝飾専門ではない宝飾品を取り扱う異業種の台頭によりこの現象が起こっています。これらの企業は宝飾品専門業者よりも大規模で、インバウンドやSNSによる小売や、卸としての輸出入などで商材を高回転させ大きな利益を上げています。商材が集まる所にお客様も集まると言う理念の下、これら企業はM&Aなどで大規模な資金力で業界を席巻しています。

 宝飾品のオークションの世界も強い買手がより多く集まる所に多くの商材が集まり、相場が高くなろうとも良いとされる商材はそこに集まり取引きされる様になって来ています。この流れは今後ますます加速し、業界の形を変化させて行く事になるのでしょう。

 今回開催された神戸でのジュエリーショーは、開催前の13日にアメリカ政権が中国からの輸入品のすべてに25%の追加関税を課すと公表し、これに対し中国国務院も600億ドル分のアメリカ製品について関税率を25%に引き上げると公表し、関税の応酬を巡る米中の衝突が激化し、世界経済は先行き不安心理が強まり世界市場に株安が波及した事と、多くの出展企業が海外からのバイヤーに対しプレセールにて販売を行った事により、展示会初日より海外バイヤーの来場者はかなり激減していました。来場された海外バイヤーも予算を使い果たされ展示会での購入意欲もかなり少ない印象であった様に思われました。

 しかし、逆に今回のジュエリーショーにおいては日本の方々が例年よりも多かった様に思われました。普段は仕入れを控え、ジュエリーショーの際にまとめて多くの商材の中から厳選し仕入れを行うと言う方が多く、当社ブースにおきましても展示会初日より連日終了時刻まで途切れる事なく多くの来場者の方々にお越し頂きました。景気が悪かろうが良い商材が揃えば売り上げは上がると言う意見の方が多く、掘り出し物はないかと真剣に商材を選ばれており、活気のある展示会となりました。今回、今後この様な商材が欲しいと多くの方に様々なご要望を頂戴し、今後の当社の課題が見つかった様に思います。

 我々の業界も過去の成功体験を引きずり、旧態依然のままである様に思われます。それはご提案する商材も殆どが以前と変わらないものとなっており、魅力に欠ける状態となっているからであると思われます。多くの方が新しい感覚を求められており、今後またブースにお越し頂く為にも新しいご提案が出来る様日々挑戦して参ります。是非また次回ジュエリーショーにおきましても皆様のご来場をお待ちしております。今回多くの方々にお越し頂きました事を心より御礼申し上げます。有難うございました。