2016年6月23日より26日の4日間、HONG KONG CONVENTION AND EXHIBITION CENTREにおいて開催されましたHONG KONG JEWELLERY & GEM FAIR JUNEに出展して参りました。
6月に入っても引き続き世界経済は低迷しています。日本においても6月1日に財務省が発表した法人企業統計によると、全産業の経常利益は前年同月比の9.3%減、売上高も3.3%減で減収減益は2期連続となりました。日本の経済が低迷している事を受け安倍晋三首相は1日、首相官邸で記者会見し消費税の税率10%への引き上げを2019年10月まで2年半先延ばしする事を表明しました。この事を受け、政策の材料出尽くし感が強まり2日の東京市場では日経平均株価が大幅に続落、円相場も1ドル108円台に上昇し、最近緩やかに回復していた株高・円安の流れが巻き戻されて来ました。
さらに3日に米労働省は5月の景気動向を敏感に映す雇用統計は、雇用者数の増加幅が5年8ヶ月振りの低水準に落ち込んだと発表しました。海外経済の減速が米雇用に波及し、製造業は輸出の停滞で雇用が1万人減り2ヶ月振りのマイナスとなり、長引く資源安で鉱業も1万人減と雇用者数の減速が続いている様です。この米国の雇用統計ショックによりNY外国為替市場では円買いが優勢となり、1ドル106円台に急伸し、NY債券市場の米長期金利は急落しました。この状況を受け、米連邦準備理事会( FRB )は15日の米連邦公開市場委員会( FOMC ) において金融政策の現状維持を決め、利上げを見送りました。
そして、日本においても日銀は16日に開いた金融政策決定会合において追加金融緩和を見送り、現状のマイナス金利政策の維持を決定し、景気の不透明感を背景に物価が弱含んでいるが、2月に導入したマイナス金利の緩和効果を引き続き見極めるとの事の様です。この両国の動きを受け、円を買ってドルを売る動きがさらに強まり1ドル104円台半ばとなり、日経平均株価も急落、長期金利は下げ止まらず新発10年物国債利回りはマイナス0.195%となり過去最低を更新しました。日米両国共に更なる経済低迷に進んで行きそうな状況となっています。
しかし、日米だけでなく欧州においても英国の欧州連合 ( EU ) 離脱問題が浮上しました。23日にEU離脱を問う国民投票が実施されるのですが、世論調査では、EU離脱支持派が半数を超え市場の警戒感が高まり、仮に英国がEUを離脱すれば英国や欧州の景気や金融市場にどんな影響が及ぶかの予測は困難なため、世界の投資家が守りの姿勢を強めておりリスク資産を安全資産へ移す動きが活発化しました。リスクの高い株は売られ安全資産とされる先進国国債に資金が流入した為、世界同時株安を引き起こし、先進国国債の利回りが軒並み過去最低を更新しました。また外為市場ではポンド売り、ユーロ売りが強まり、円は対ポンドで3年2ヶ月振り、対ユーロで3年5ヶ月振りの水準にまで上昇しました。さらに英国の国民投票の前に日銀が金融緩和を行えないと見越した短期筋が円買いを仕掛けた事により円は1ドル103円台に突入しました。
また外為市場ではポンド売り、ユーロ売りが強まり、円は対ポンドで3年2ヶ月振り、対ユーロで3年5ヶ月振りの水準にまで上昇しました。さらに英国の国民投票の前に日銀が金融緩和を行えないと見越した短期筋が円買いを仕掛けた事により円は1ドル103円台に突入しました。
この様な状況下で開催された今回のジュエリーショーは現在の世界情勢を大きく表したものとなりました。来場者数は前年よりも大きく減少しており、会場はかなり閑散とした雰囲気となりました。来場されたバイヤーの方々も様子見の方が多く、仕入れ目的と言うよりは現在のマーケットがどの様になっているかを視察しに来たと言う方が多かった様に思われます。仕入れされるとしても余程お値打ちでない限り仕入れはされず、何処にでもありそうな商材、在庫にお持ちの商材には手を出されない様子でした。
また、購入単価も益々下がっている様で、高額品の販売はかなり厳しい状況となっていた様に思われました。今まで人気のあったエメラルドにしても益々購入されるポイントが狭くなり、ハイクオリティーで価格が安い商材でないと購入されませんでした。今後、高値で推移していたエメラルドのマーケットプライスは下がって行く可能性を多いに感じる状況であると思われます。ダイヤモンドにしても現在の世界情勢に加え、為替の影響もありムードは悪く今後のマーケットプライスの動向が気になります。出展者、来場者ともに今後の状況を不安視する形となった今回のジュエリーショーであった様に思われました。
更にこの状況に追い打ちを掛ける様に、ジュエリーショーの会期中に英国の国民投票において英国のEU離脱が決定し、世界に激震が走りました。24日の世界の金融、資本市場は大きく動揺し、日経平均株価は16年振りの下げ幅を記録し、アジア株市場も全面安、欧州株も大幅に下げて英通貨であるポンドは対ドルで31年振りの安値を付けました。マネーは安全資産とされる円や金に向かい、円相場は正午前に1ドル99円となり、金の国際価格は2年振りの高値となりました。英国のEU離脱は世界を揺るがす形となり、今後の世界の政治・経済に新たなリスクとなりました。
今回のジュエリーショーは大きな転換期となり、今後更にシビアになるであろう状況の警告であった様に思われました。この厳しい状況下にも関わらずお越し頂きました皆様には心より感謝し、御礼申し上げます。皆様の期待にお答え出来る様努力し、次回ジュエリーショーにおきましても皆様とお会い出来れば幸いです。有難うございました。