2017年8月28日から30日の3日間、Tokyo Big Sight Exhibition Centerにおいて開催されました Japan Jewellery Fair 2017に出展して参りました。
1990年代前半のバブル崩壊や、2008年のリーマンショックの時期ならまだしも、経済が比較的安定している現在にも関わらず、日本の宝飾業界の不振は更に深刻なものとなっている様に思われます。この状況の原因はただ景気が悪いので商品が売れなくなった訳ではなく、移り行く時代の変化とのミスマッチが起こり始めているからに他ならないと思われます。高度経済成長期の栄光を忘れられないまま、バブル崩壊やデフレと言った環境変化を直視しようとせず、場当たり的な対処を続け、気が付けば業績不振は深刻さを増し,それでも業界内のライバルとの競争ばかりに明け暮れ、時代から取り残されている。痛みを伴う改革を避け、ひたすら現状維持に固執する思考停止の姿勢が業界を窮地に追い詰めているからに他ありません。
この事に追い討ちをかけるのが人口動態の変化にあります。日本は少子高齢社会にある事は誰もが知る常識でありますが、我々の業界の顧客ターゲットの中心は年齢層がもともと高く、今後さらなる客層の高齢化が進むため、近い将来このターゲットの中心は崩壊する事になり、ますます旧態依然のビジネスモデルは通用しなくなるのでしょう。他の業界においてもこの傾向は如実で、既得権益や業界内の内輪の論理にとらわれて身動きが取れなくなった様々な業界が大きな脅威に直面しています。
タクシー業界では、ライドシェア( Uber ) が業界の勢力図を塗り替え、民泊サービスのAirbnbによりホテル業界も大きな変革を迫られるなど、Amazonなどインターネットを駆使し、業界の外からイノベーションを起こす新興企業が台頭し始めています。売り場を持たず、中間業者を省き、コスト構造を透明化したオンラインSPAや新商品を売るだけでなく、それを再び買取り、中古販売するなどインターネットを駆使した新興企業の存在は無視出来ない程大きなものとなっています。現在は情報化社会が急激に進んでおり、今後、我々の業界も外部からのイノベーションによりビジネスモデルが変化して行くものと思われます。
今回開催されたジュエリーショーにおいても25周年になるのですが、毎年変化のないせいかまた同じ様なショーであろうからわざわざ行かなくてもとの声が多く、今迄にない程の少ない来場者数でありました。もちろん景気が悪いので賑わいがないと言う事もありますが、ジュエリーショーにおいても変革が求められている時期にきていると思われます。
今回お越し頂きました方々も今迄にある様な商材ではなく、変わった商材、珍しい商材を探され、購入されていました。今迄にある業界の商材は供給過多となっており、価格だけの価格競争に陥っています。今回は今後の方向性を考えさせられるジュエリーショーとなりました。この状況でもお越し頂きました皆様に今後もお立寄り頂ける企業と成り得る様に改革に取り組みます。お越し頂きありがとうございました。心よりお礼申し上げます。