JGW 9月香港 2026

期間
2026/09/16〜2026/09/20
会場
香港コンベンション & エキシビションセンター
ブース
3G711
1
展示会情報

 2026年9月16日より20日の5日間の日程で Hong Kong Convention & Exhibition Centreにおいて開催されました JGW September 2026に出展してまいりました。

 年初において金価格の歴史的高騰が業界全体に追い風として作用し、地金・宝飾品・リユース業界は活況を呈しました。半年以上を経た現在は、金高が業界好況という構図ではなくなり、むしろ金地金の高止まりと乱高下は、収益機会だけではなくリスクへと変質しています。

 世界経済は米国の関税政策の強化、地政学リスクの長期化、エネルギー価格の不安定化、高金利環境の継続により不安定さを増しています。米国ではAI関連の投資を中心とした株式市場の上昇が続く一方で、雇用環境には減速の兆しが見え始めています。金融政策の転換期待とインフレ動向が交錯し、為替市場も大きく振れやすい状況となっています。日本においても円安と物価上昇が同時進行し、金融正常化の過程で長期金利の上昇が経営コストとして企業に影響を与え始めています。

 こうした状況下で我々の業界に最も大きな影響を与えているのが金地金価格の動向です。2026年初頭、金地金価格の上昇は業界全体に明確な追い風をもたらしました。地金在庫を保有する企業は含み益を拡大し、買取市場には商品が集まり、流動性が高まりました。しかし、その後の価格変動は単なる上昇トレンドではなく、急激な上下動を伴う不安定な相場へと変化しました。価格変動の不確実性が企業経営のリスクとなり、相場に乗る経営は成立しにくくなっています。

 円安により海外販売において追い風となる一方で、日本国内では地金価格の上昇により商品原価が高まり、在庫金額が膨らんでいます。相場上昇局面では在庫を保有していること自体が利益につながりましたが、現在の様に価格変動が大きくなると、多額の在庫を抱えることがそのまま経営リスクにもなります。今後は売り上げ規模だけを追うのではなく、在庫回転率や粗利率、キャッシュフローなどをこれまで以上に意識しなければならないのでしょう。

 小売現場においても構造変化が顕著に表れています。金地金の上昇により従来の価格帯での商品の販売が困難となり、重量調整やマージン圧縮による対応を迫られています。一定水準を超えた価格帯では、消費者の購買心理が強く抑制されるようになっています。資産としての価値、商品としての購買性がなければ購入に至らない状況となっています。新たな打開策が必要な時期にきています。

 世界の金需要動向もこの変化を裏付けています。2026年第一四半期において、金需要は金額ベースでは過去最高水準に達した一方で、宝飾用途の数量ベース需要は前年同期比で大幅に減少しました。特に中国やインドといった主要消費国において二桁減少となっており、価格上昇がそのまま需要減少に直結する構造となっています。

 中国においても不動産市場の調整長期化により資産効果が低下し、個人消費は弱含みで推移しています。小売売上高の減少は消費マインドの回復力の弱さを示しており、高級消費財市場全体に影響を及ぼしています。また、ダイヤモンド市場においても天然、人工ダイヤモンドにより構造変化が進行し、天然ダイヤモンドの価格は調整局面にあります。今後は天然の希少性と人工の量産・代替品の二極化が更に進行して行きそうです。

 この様な世界的な市場環境下の中で開催された今回のジュエリーショーにおいても、市場全体が活況を呈するというより、商品や価格帯、バイヤーによる温度差がより鮮明になっている様に感じられました。金地金が高くなった事で商品単価そのものが上昇しており、以前以上に慎重に仕入れをされていた様に思われます。一方で、品質、価格、希少性のバランスが取れた商品には依然として需要があり、すべての商材が売れない状況ではない様に思われました。

 中国の規制がますます厳しくなっている様で、中国人バイヤーの数は減少していました。変わりに他のアジア諸国のバイヤーが増え、会場は連日賑わいを見せていた様に思われました。ライブコマースも以前に引き続き多くのライバーで活況であった様です。ただ、多くのブースにて賑わいの割には売り上げの数字が上がっていないとの声も多く、手放しでは喜べない状況であった様にも思われました。原因は商材にあるのかもしれません。

 年初は金価格の上昇そのものが業界全体を押し上げました。しかし今後は、金が上がれば皆が儲かるという単純な市場ではなくなっている様に思われます。相場に利益を作ってもらうのではなく、商品を観る力、仕入れる力、販売する力によって利益を生み出す、本来の宝飾ビジネスの力が改めて問われる局面に入った印象を強く受けます。何でも安ければ売れる時期ではなくなっているのでしょう。

 今回のジュエリーショーにて、現在の香港での状況が以前と大きく変わっているのを感じました。バイヤーの顔ぶれ、商材のニーズ、商材の価格帯など様変わりしていました。香港でのジュエリーショーの前に開催されたバンコクでのジュエリーショーに流れが傾いてきていることもあり、今後の香港での宝飾品ビジネスは更に変化し、対応を追われることになりそうです。

 大変難しい時期にも関わらず、弊社ブースにも多くのバイヤーの皆様にお越し頂きました。心より御礼申し上げます。今後も皆様のご要望にお応えできます様努力してまいります。また次回ジュエリーショーにてお会いできましたら幸いです。ありがとうございました。