2025年3月4日より8日の5日間の日程で、Hong Kong Convention and Exhibition Centreにおいて開催されました Hong Kong International Jewellery Show 2025 に出展してまいりました。
トランプ2.0が始動し、1か月が過ぎ世界情勢が変わり始めています。世界に繁栄を齎してきた自由貿易体制を根底から覆す様に他国に関税を課し始めました。世界各国を対象に、消費税も関税とみなすとしており、相手国の関税に消費税を加えて課税する考えの様です。




1月の就任後、まずはメキシコとカナダに25%の関税をかけると宣言し、2月4日には中国にはすべての中国からの輸入品に10%の追加関税を課しました。これに対して中国は10日に、米国から輸入する石炭、液化天然ガスなどに最大15%の追加関税を課し、報復措置を行いました。米国が経済貿易の問題を政治化し、今後も更なる追加関税が行われると2018年の貿易戦争と同じ様に報復関税の応酬となる恐れがあり世界経済への影響が懸念されています。



トランプ関税の矛先は国だけでなく、個別の品目にも向かっています。3月12日から鉄鋼やアルミニウム製品に25%の追加関税を課し、自動車への追加関税も4月に発動すると公表しています。実際に発動されれば、日本を含む世界に多大な影響を与える事になる為、今後の交渉次第となる状況ですが、米国が他国に高関税を振りかざし自らの要求に従わせる弱肉強食の構図が出来つつあり、今後の世界情勢が不安視されています。




トランプ政権の関税政策により米国内のインフレの先行きが懸念され、米経済が減速するとの不安につながっている様です。米景気指標が想定以上に悪化し、リスク回避の株売りが広がっています。米景気指標の悪化でFRBが利下げを行うとの観測が強まり、米債券市場で債券価格が上昇、金利が低下し、日米金利差の縮小を意識した円買い、ドル売りが進んでいます。インフレ進行の現在、景気減速ともなればスタグフレーションを招きかねない状況となっています。



我々の業界においても世界的な景況感の悪さに伴い、ダイヤモンドモンドやパールを中心に多くの商材の相場が下がっており、買い控えから今後の相場が更に下がるのではと不安視されています。現在の世界情勢により多くの国で販売の現場が不振となっている様です。ただ、この状況にも関わらず金の価格だけは上がり続けています。この為、宝飾品も販売不振にも関わらず高くなってきています。




金は米金融政策や地政学リスクを背景に歴史的高騰が続いています。FRBによる利下げや、中東情勢、ロシアのウクライナ侵攻を巡る懸念も、価格が下がりにくい実物資産である金への資金流入を後押ししています。世界情勢の先行き不安から、世界中が金を買う状況は今後も金価格の上昇に繋がるのかもしれません。



世界中で金の宝飾品需要が減る一方で、金への投資は勢いを増すという変化が徐々に起きてきています。各商材の相場も乱高下しており、宝飾品の製品としての価格も今までと大きく変わりつつあります。今後も世界の動向により、我々の業界の商材、製品価格も大きく変わっていくものと思われます。今後の対応がますます難しくなりそうです。この様な現状下で今回のジュエリーショーは開催されました。




世界的な景況感の悪さから期待感の薄い状況ではあったものの、前年よりも来場者は多かった様に思われます。ジャパンパビリオンには初日より、最終日まで多くの来場者で賑わいを見せていました。ただ、中国経済の低迷を表す様に、中国人バイヤーの数は激減していた様に思われます。今まで中国頼みであった香港開催のジュエリーショーが、他の国のバイヤーで賑わいを見せており、香港ジュエリーショーも大きく変わりつつある印象を受けました。



売れ行く商材も、今までの中国向けのカラーストーン中心の商材からシフトしている様に思われます。特にカラーストーンの高価格帯のニーズは少なく、よほど安いか品質が良くないと売れず、かなり厳しい状況となっています。今まで見向きもされなかった商材や新たな商材が売れていた様です。新たなバイヤーの台頭に今後の可能性を感じる今回のジュエリーショーであった様に思われました。




今回も多くの来場者の方々にお越し頂きました。心より御礼申し上げます。今後も大いに変化する状況に合わせ、弊社も変化を遂げ、皆様にご満足頂けます様努力してまいります。次回ジュエリーショーにおきまして、また皆様とお会いできましたら幸いです。ありがとうございました。


















