JAPAN JEWELLERY FAIR 2018

期間
2018/08/28〜2018/08/30
会場
東京ビッグサイト
ブース
G-2
展示会情報

 2018年8月28日から30日の3日間の日程で、東京ビックサイトおいて開催されました JAPAN JEWELLERY FAIR 2018に出展して参りました。現在は、ついに米中貿易戦争が幕を開けたと言っても過言ではない状況となってきた様に思われます。アメリカは好景気により体制が固まりつつあり、中国においても経済発展により自らのルールを他国に押しつけ、世界の国々は新秩序の構築に向けて動かざるを得ない状況となっています。

 数年前まではグローバリズムや新自由主義が標榜され、ヒト・モノ・カネの移動の自由を世界中で推し進められていましたが、今やその様な考え方は世界中から消えつつあります。アメリカ、中国の二大経済大国が突出し、互いに自国の産業を守るために、より強固にするために輸入関税をかけ内需の拡大を図っています。

 しかし、米中貿易戦争は表向きは輸出入の貿易不均衡から生じた経済的対立とされていますが、裏には違う理由がある様です。アメリカが中国に対する照準は貿易赤字の大幅削減と安全保障と定められていますが、昨今安全保障という最重要戦略の基盤となるハイテク分野において、中国企業がアメリカ企業を猛追しています。中国は国有企業を利用して外国企業を買収し、技術や知的財産権を獲得しており、それを国家レベルで保有、流用、転用しており、その勢いにアメリカや世界は恐怖感と焦燥感を抱く段階にまで来ています。アメリカは安全保障上、知的財産権を守り最新技術を盗まれないよう貿易規制を強化しました。

 一例として、中国の大手通信機器ZTEのアメリカへの一切の輸出を禁止し、アメリカ製品の供給を2025年まで禁止すると言う制裁を課し、販売停止になるまで追い込まれました。中国政府が製造国大国になる事を企図して発表した「 中国製造2025 」の産業政策における重点産業に脅威を感じ、制裁を課しています。主に航空や産業用ロボット、半導体などの中国が強化を目指しているハイテク分野の製品を含む品目に意図的に課税しています。

 米中貿易戦争の根底にあるのは貿易収支赤字による経済的対立それ自体ではなく、技術覇権争いであり、中国の技術向上が続く限りアメリカの圧力は更に増し、米中貿易摩擦は激化すると予想されています。また中国の技術向上により、中国の貿易額が増し、その技術がいずれ軍事に転用され、軍事覇権争いに発展しかねない。世界は現在この様な状況にあると思われます。

 しかし、世界経済を揺るがす貿易戦争の最中でも安全資産とされる金がさえません。普通なら有事の金とされ、金相場は上がるはずですが、ドル高やアメリカ金利上昇で金利のつかない金に魅力が薄れ、資金流出が目立ってきており、金やプラチナなど我々の業界に影響を与える地金が下落しています。またCVD合成ダイヤモンド問題により、ダイヤモンドの相場も下落しています。加え、最近の北大阪の地震、西日本豪雨、猛暑などの異常気象により、小売りの現場での販売に大きな影響を与えています。我々の業界は現在かなり厳しい状況と言えるのではないでしょうか。

 その様な状況で開催された今回のジュエリーショーは国内開催の中でも規模は小さく、日本国内の状況と相俟って期待感の少ない中スタートしました。現在の状況を表すかの様に初日より来場者は少なく、ここ最近のジュエリーショーでは最も少ない来場者であった様に思われました。日本人の来場者が少ないであろう事は予想されていましたが、今回は海外からの来場者も少なかった様に思われました。

 主催の発表によりますと、海外からのバイヤーはVIP招待200名、一般来場者数600名の合計800名とされていましたが、とてもその様な数の海外バイヤーがいらした印象はありませんでした。2週間後に開催される香港でのジュエリーショーに行くので、今回の日本のジュエリーショーにわざわざ行く事はないという声が多かった様に思われました。売れ行く商材をみても高額商材の売れ行きは悪く、現在の景況感を表す様に低額帯の商材の売れ行きばかりが目立っていた様です。

 しかし、現在は商材不足でなかなか良い商材は少なく、良い商材とされるモノは相場が落ちておらず高止まりしています。売れ行きが厳しい中で良い商材は高く、高過ぎると売れず、今後判断がますます難しくなりそうです。
 今回はかなり現在の我々の業界が厳しい状況にあると痛感させられるジュエリーショーでありました。今の現状を真摯に受け止め、今後の状況の変化に素早く対応出来るよう取り組んで参ります。今回、この様な中でもご来場頂きました皆様に心より御礼申し上げます。有難うございました。