2026年3月4日より8日の5日間の日程で Hong Kong Convention and Exhibition Centreにおいて開催されました Hong Kong International Jewellery Show 2026に出展してまいりました。
2026年2月、自民党が衆議院選挙で圧勝し、強固な政権基盤を確立した事で日本の政治は大きな転換点を迎える事になりました。政策決定の迅速化、統治の安定性により、経済活動促進となり得そうですが、財政規律、金融政策、為替などの問題があり、市場がどう動くのか、金地金市場、宝飾業界にも波及してきそうです。




現在の日本は先端技術力、法制度の透明性、資本市場の成熟などといった部分が評価され、投資対象国としての魅力を再び集めています。しかし、巨額の政府債務残高と急速な高齢化に伴う社会保障費の増大は、中長期的な財政リスクとなっています。政権が減税や財政出動を進めれば、短期的には株価上昇や消費拡大をもたらしますが、同時に国債利回りの上昇や円安圧力を通じて輸入インフレを招く可能性を秘めています。



この政治、金融の環境は金地金市場に影響を与えそうです。金価格は国際的にはドル建て相場、実質金利、地政学リスク、中央銀行の需要などといった要因で形成されますが、日本では為替の影響が極めて大きな要因となっており、我々の業界にも影響を及ぼしています。円安局面では国際金価格が横ばいであっても円建て金価格は上昇し在庫評価益が生じ、逆に円高局面では、地金保有量の多い事業者ほど評価損を被りやすい状況となっており、金は単なる商品ではなく、通貨代替的な資産としての側面をますます強めています。




宝飾業界の需要構造も二極化が進んでいます。株高上昇や資産効果が強まる局面では高額品や投資目的の地金需要が活性化していますが、生活費上昇、物価高、宝飾品の生産コスト上昇などが続き中価格帯の実需が縮小しています。特に地金比率の高い企業にとっては、在庫評価と回転率が重要になってきています。現在では地金価格が以前と比べてかなり乱高下し、以前のやり方では通用しない状況となっています。



現在の地金は相場変動により短期的な評価益を生む可能性がある一方、売却のタイミングを誤れば利益は確定せず、為替反転によって評価損へ転じる危険もあります。相場予測だけでなく、価格改定のルール、在庫の二層管理、地金連動条項の導入などの相場の変動を前提とした対策もなければ、今後の環境に対応して行く事は厳しいのかもしれません。時代と共に宝飾業界は大きく変わってしまいました。




また、宝飾業界にとって見逃せないのが中国経済の減速です。中国企業の業績不振が長引いており、不動産に加え、家具やスーパー、旅行などの個人消費関連が不振な状況となっており、実に上場企業の4社に1社が赤字という状況になっています。中国は長年にわたり世界最大級の宝飾消費市場として、宝飾品需要を支える中心的存在でありました。しかし、中国の宝飾品の販売は低迷傾向を示しており、この影響は単に中国国内に留まらず、国際的な宝飾品需要の構造にも変化をもたらしています。



中国の宝飾品需要の減速は、短期的には宝飾品、金需要の伸びを抑制し、価格上昇圧力を和らげる可能性がある一方で、資産防衛的な宝飾品、金購入が一定程度続くことにより、全面的な需要崩壊には至りにくいという複雑な様相を呈しています。宝飾品、金の需要の形が大きく変わり始めました。世界の政治や経済の動向にも大きな影響を受ける状況ともなっており、今後は投資目的や資産保全目的の宝飾品、金需要が強まって行きそうです。




この様な現在の状況下で今回の香港でのジュエリーショーは開催されました。宝飾品需要の減少に伴い期待感は弱かったものの、会期初日より予想以上の多くの来場者があった様に思われました。特に、日本企業の集まるエリアには多くの来場者で連日賑わいを見せていました。宝飾品需要の減速傾向を感じられない程に各日本企業のブースにて多くの商談が行われていた模様でした。



ただ、以前とは傾向が異なり来場者の顔触れが変わっていた様です。以前より多くの仕入れを行っていた中国バイヤーは減り、タイやミャンマー等の新たな国からのバイヤーが増えていた様です。新たな国々のバイヤーにも日本の製品は現在の円安の効果もあり人気が高く、特に金製品などは特に割安感がある様で人気が高かった様に思われました。色石も海外では価格が高騰しており、以前の相場で日本企業が販売しているモノを探されている方も多かった様です。




時代は変わり、今回のジュエリーショーにおいてもライブコマース専用のブースを設けていた様に販売のスタイルも変わりつつあります。ライブコマースの影響は現在では大きくなり、実店舗での販売に影響を与えている様です。今回、以前よりお越し頂いているバイヤーの方からライブコマースの影響で店舗での販売が減少しているとの声も多く聞かれました。今後もこの影響により販売の形は変わって行くのでしょう。



ラボグロウンの誕生により、ダイヤモンドのルースの相場や販売が変わってしまいました。今後はラボグロウンが製品の世界に入って来る事により、製品の世界も変わって行く事になりそうです。時代は変わり、我々の業界もジュエリーショーも大きく変わって行くものと思われます。今回の出展機会を参考に我々も今後に対応し、皆様のご期待に少しでも応えたいと考えます。




今回のジュエリーショーにおきまして多くの新たな方々にお会いする事が出来ました。今回お越し頂きました皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。次回ジュエリーショーでまたお会いしましょう。













