第34回 国際宝飾展(IJT)

期間
2023/01/11〜2023/01/14
会場
東京ビッグサイト
ブース
5-1
展示会情報

 謹んで新春のお慶を申し上げます。昨年は格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。本年も倍旧のお引き立てのほどひとえにお願い申し上げます。

 2023年1月11日より14日の4日間の日程で東京ビッグサイト 東展示練において開催されました 第34回 国際宝飾展 に出展してまいりました。

 発生から丸3年を迎え終わりの見えないコロナ禍、インフレ、ロシアによるウクライナ侵攻など世界がどこか不安で落ち着かない状況は今年も続いて行きそうです。新型コロナウイルス対策による巨額の財政出動と供給制約を端緒とするインフレは、ロシアのウクライナ侵攻によりエネルギーや食料の価格高騰に拍車を掛けました。

 インフレを抑える為にFRBは2022年に0.75%の大幅利上げを4回実施し、欧州もこれに追随しました。しかし、金融引き締めの悪影響が及び2023年は世界の3分の1が景気後退に陥いるとIMF ( 国際通貨基金 ) が予測しています。また、中国においてもゼロコロナ政策の失敗などで2022年は国家目標に届かず、2023年においても抗議デモによりゼロコロナ政策が撤回されれ、中国国内で感染が急拡大しており中国経済の不振は続きそうです。

 世界の分断の問題も進行して行きそうです。米中の覇権争いから最先端技術、半導体などでの技術移転に歯止めがかかり、ロシアへの経済制裁によりロシアからの西側諸国へのエネルギー輸出は減少し、新たな調達先探しに各国は躍起になっています。先進国でもエネルギー価格高騰や対中国問題で自国優先の政策をとる動きが相次いでおり、世界の分断が進行して行きつつあります。

 安全保障に関する問題も深刻化しています。ウクライナ侵攻だけではなく、米中対立の深刻化、台湾有事の可能性、北朝鮮ミサイル実験など緊張を高めています。兵器や兵力などの旧来の軍事力による抑止に加えて、サイバー空間や宇宙などの攻撃や防御の備えも必要となり安全保障問題も複雑化してきています。

 地球規模の気候変動も問題となってきています。この冬は米国の豪雪、インドの寒波、日本においても記録的な大雪となっています。森林開発や温暖化ガス排出、ウクライナ侵攻などによる環境破壊により自然環境を育み、資源を生み出し、生活を支えてくれる動植物がかなりの勢いで消えていっています。森林開発により、奥地に潜んでいたウイルスや細菌が人に感染する可能性もあり、新型コロナウイルスが収束した後も新たなパンデミックが起こるやも知れません。

 2023年も多くの問題と向き合う一年となりそうですが、今年はインバウンド復活の兆しが見え始めています。各国で外出規制や入出国の規制を緩和してきており、実際街を見てもコロナ禍以前の状況とまでは行かないものの多くの外国人の姿が見受けられます。中国においてはゼロコロナ政策を見直し、その反動で感染拡大が起きていますが、政策見直しの初期の段階では感染拡大が加速しますが、この過程で集団免疫を獲得する事から春先には状況も改善され、景気もV字回復すると予測されています。

 我々の業界においてインバウンドの復活はかなりの追い風になります。贅沢品とされる我々の業界の商材は海外の方が需要が多く、現在の円安状況でインバウンドが回復すれば大いに期待できるものとなりそうです。2023年の我々の業界はインバウンドが鍵になるのかも知れません。その様な中、今年一年を占うとされる日本で最大規模のジュエリーショーが入国規制緩和の期待を込めて開催されました。

 初日より多くの来場者で賑わいを見せたもののどこか物足りない印象であった様に思われました。秋に開催された横浜でのジュエリーショーは来場者の購入意欲が旺盛であった為、今回の東京でのジュエリーショーに大いに期待感がありましたが、今回は来場者の数は多いものの様子見の方が多く購入も厳選されている雰囲気でありました。

 中国本土からの中国バイヤーの来場を期待して出展をしていた企業も多かった様ですが、以前と変わらず殆ど姿を見る事は無かった様に思われました。中国ではゼロコロナ政策の事実上の終了により各地で感染の急増が続いており、11日時点で累計感染者数が9億人、総人口の64%が感染している状況となっており、まだまだ中国本土からのバイヤーの来場を期待出来る状況とはなっていない様でした。

 その様な中でも、今まで来場の無かった台湾やインド、ヨーロッパなどからの来場者の姿が少し見られ、日本や中国のバイヤーの方が購入される商材とは少し異なり新たな兆しを感じました。在日の中国やフィリピンなどのライブコマースも以前ほどの勢いは感じられないものの、ライバーと呼ばれる方々の姿も多く見受けられ、今後も無くなる事はないのでしょう。

 日本人の来場者の方も以前と変わらず少ない印象ではありましたが、この様な状況で来場される方々は購入意欲旺盛で、真剣に商材を探されておりました。今後の業界の流れは、感染拡大後に集団免疫を得て感染者が減少する中国により、大きく変わる事が予測されます。売れ行く商材、各種商材の相場など今年は以前とは変わるのでしょう。

 今回も年初より多くの常連の皆様のお顔を拝見する事が出来ました。また、この様な状況下におきましても多くの新規の皆様にもお越し頂く事が出来ました。今回お越し頂きました皆様に心から感謝申し上げます。有難うございました。今年も一年、大きく変動する状況を皆様と共に乗り越えて行けましたら幸いです。どうぞ今年も一年宜しくお願い致します。