2025年10月29日より31日の3日間の日程で、パシフィコ横浜において開催されました 第13回 国際宝飾展 秋 ( 秋のIJT )に出展してまいりました。
株高、円安要因も加わりインバウンドに沸く日本、多くの外国人で賑わいを見せ、日本列島各地で人がごった返しています。外国の資本の流入が加速し続け、インフレが加速しているこの状況ははたしてバブルとも言える好状況なのでしょうか。




自民党党首選で高市新党首が選出され、新首相にも就任し、アベノミクス系の積極財政・緩和的政策復活との思惑により円安が加速しています。また、高市氏はAI、半導体、バイオ、成長分野への投資や支援を掲げており、拡張的な政策を期待して株高が誘発されました。この状況により輸出企業、製造業に更なる追い風となり、外国資本や投資マネーも日本に更に流入する状況となっています。



一方で、輸入コストが上昇し、輸出を主としない企業も家計も負担が増え続け、生活面での実感は改善されていません。日経平均の上昇を牽引しているのは主に外国人投資家で、そのため、世界の金融情勢が変わると、一気に資金が引き上げられるリスクも秘めています。実体経済や国内消費がまだ十分に回復していないため、株高と景気の乖離が進んでいる状況と言えそうです。




アベノミクスにより大規模にマネーが供給され、円安が誘導され、輸出企業は増収増益、株高も上昇し、雇用も改善され短期的は改善されました。しかし、円安で一時的に景気を支えるモデルが長期的に続き、政府、企業が構造改革を先送りにし、円の価値も国際競争力も大幅に落ちてしまいました。見かけ上の繁栄と実質的な衰退が進んでいる状況とも言えそうです。



また日本では多くの人々が気付かぬうちに移民の流入、特に中国からの移民の流入により教育、不動産、ビジネスなど日本の生活に関わる多くの分野でインパクトを与えつつあります。条件の緩い日本の高度人材ビザなどを申請し、日本に入国するケースが増えてきています。入国し1年以上普通に暮らし、会社の登記をし、日本の法律を守り給与や社会保険を申請している人が増え、永住権を取得する人が増えています。




日本は少子化、人手不足に対応するため外国人受け入れを強化し、日本の経済成長を促すために高度人材を引き寄せようと、経営・管理、高度専門職の2種類のビザに加え、投資家向けのビザの創設と日本のビザ緩和、拡充が進んでいます。日本は気候や治安、食が良く、空気や街も綺麗であるところに、円安要因や中国の景況感の悪化も加わり、中国からの移民が急増している様です。



街でも観光客以外の日本で暮らす中国人の姿を多く見かけるようになりました。学校などの教育の現場にも中国人の子供が増えつつあり、日本の不動産も中国人による購入が増え続けています。不動産投資による民泊問題も社会問題になりつつあります。また、中国人による日本企業の買収も身近になってきています。中国の対日投資が激増し、日本の技術により日本で生産し、その製品を中国に持ち帰る時代がくるやもしれません。




この先、移民の中から経済エリート、政治エリートが誕生するのでしょう。以前の様な単純労働者ではなく、高度人材の様な影響力のある移民の流入は、日本の移民政策の再考の余地がありそうです。外国資本の流入により賑わいをみせている様に思われますが、日本が日本をどう再定義するのか問われる時期なのでしょう。



この様な状況下で開催された今回のジュエリーショーは、やはり海外のパワーを感じるショーとなりました。中国の景気減速により中国人バイヤーの数は例年よりも少ない印象でしたが、他の国からのバイヤーで賑わいをみせるジュエリーショーであった様に思われました。現在の円安進行や金などの高騰による投資意欲も加わり日本製の製品は非常に人気であると改めて感じられました。




一方で日本人バイヤーの数はかなり少なく、来場された方々も現状はかなり厳しい様でした。日本の小売の現場ではお客様の高齢化、若者のジュエリー離れが進んでいます。そこに円安、インフレ進行による製品価格の急騰が加わり、新たに仕入れが出来る状況ではなさそうです。大きく変わってしまった製品価格に今後少しでも早く対応しなければ、ますます厳しい状況となってしまいそうです。



今回のジュエリーショーでは、製品価格が大きく変わり、マーケットも大きく変り、新たな時代の到来を感じました。日本や中国などで宝飾品の販売の減少を感じますが、今後は新たな国のマーケットに期待を感じます。商品相場も新たなマーケットに対応する為、上がるモノ、下がるモノが出てきそうです。




我々の業界においても日本と海外との勢いの差を強く感じられる様になりました。今後、海外に良い商材が流れ、日本には低品質の商材が中心となる日もあり得るのかもしれません。日本の宝飾業界も新たな時代に入っており、構造の改革が急務となっている様に思われます。AIなど新たなデジタルマーケットが沸いている様に、我々の業界も刷新的な変化が今こそ必要となっています。



今年も多くの変化のある一年となりました。来年は更に変化のある一年となりそうです。今年は今回のジュエリーショーで弊社の出展は最後となりました。今年も一年多くの皆様に支えられました。心より御礼申し上げます。ありがとうございました。また来年のジュエリーショーにてお会いしましょう。
















