第27回 国際宝飾展(IJT)

期間
2016/01/20〜2016/01/23
会場
東京ビッグサイト
ブース
B5-02
展示会情報

 2016年1月20日より23日の4日、Tokyo Big Sightにおいて開催されました第27回 国際宝飾展 (IJT2016 ) に出展して参りました。

 新年を迎えた世界では、人民元安を皮切りに負の連鎖が止まりません。FRBが12月に9年振りの利上げに踏み切り、人民元よりも米ドルを持っていた方が有利に運用が出来るとの観測が強まった事により人民元の対米ドル相場が下げ止まりません。急激な人民元安は中国からの資本流出を招き、中国経済を一段と減速させるとの懸念から、上海株式市場では人民元安を嫌気して急落し、連日下げ止まらず相場の急変時に取引が停止される新制度のサーキットブレーカー制度が連日に渡って適用され、取引開始後わずか30分で全ての取引を終了する異例の展開となりました。この上海株式相場の急落は世界の株式市場に波及し、世界の株式市場は軒並み下落し世界同時株安を引き起こしました。日本においても連日日経平均株価は続落し、1万7000円を下回っても下落に歯止めがかからない状態となっています。

 原油においても中国や新興国の需要の減速、中東情勢の緊張から原油価格はリーマンショック後の安値を下回り、12年振りの安値である1バレル30ドルを切る水準にまで急落しました。これを受けて世界の資源関連株は総崩れとなり、資源国の株式や通貨に大きな影響を及ぼした事により資源国の企業の経営不安も浮上してきました。企業の信用リスクを取引するCDS市場では保証料が一段と上昇しました。この事は債務不履行リスクが高まっていると市場が判断している事になります。原油の下落は他の資源にも波及し、銅を始め我々の業界にも関連する金やプラチナ相場も押し下げました。 

 現在では投資マネーは 株式や原油などリスクの高い資産から、相対的に安全性が高いとされる資産である日本円や先進国国債に向っています。日本円は117円台と急激な円高となり、日本国債は14日の東京市場において長期金利の指標の新発10年物国債利回りが0.190%に下がり、市場最低を更新しました。2016年初の世界経済は先行きの不透明感が大いに漂い、皆リスクをいかに回避するかに奔走する状況となっている様に思われます。

 この様な状況下で開催されました今回のジュエリーショーは、日本において最も大きなジュエリーショーと言う事もあり期待感は高かったのですが、前年よりも来場者は少なかった様に思われました。特に中国の景気の減速は如実に現れ、中国バイヤーの数が激減していました。この事は特に高額品の販売に影響を及ぼし、高額品の販売不信を引き起こしている様に思われました。高額品の販売は中国人が中心となり牽引してきただけに今後の動向が不安視されます。他の国のバイヤーも少し減り、ここ近年の海外バイヤーでごった返す雰囲気ではありませんでした。

 しかし今回は、日本の復活の兆しが見られたジュエリーショーであった様に思われます。今回は日本企業が元気という印象を受けました。オープンすると初日より多くの日本の皆様が来場され、競う様に商材を探されていました。年末年始に販売好調で商材の補充にお越しになられた方や、今後の新たな戦略の為に商材を探されている方で賑わいを見せ、雰囲気は10年程前のジュエリーショーと酷似したものとなり、久しぶりに日本で開催されたジュエリーショーと感じる事が出来ました。日本、海外関わらず、今回お越しになられた方々は現状を何とか変える為に新しい商材を探され、新たな戦略を考える前向きな方が多かった様に思われました。

 現在は世界的に不況と呼べる状態であり、我々の業界にも大きな影響を与えています。また、モノ、サービス、情報、お金、人が国境や地域を越えて行き交う経済のグローバル化の流れは止まりそうになく、ますますハイレベルの競争を強いられる事となり企業の存続も危ういものとなる様に思われます。我々もグローバル化の大きな波に乗り成長への好機と捉え、この混沌とした状況におきましても皆様により良きご提案が出来ますよう果敢に挑戦して参ります。今回このような状況にも関わらずお越し頂きました多くの皆様に心より御礼申し上げます。有難うございました。