2017年6月22日から25日の4日間、Hong Kong Convention & Exhibition Centreにおいて開催されました JUNE Hong Kong Jewellery & Gem Fairに出展して参りました。
保護主義の波が世界に広がり、経済の循環を悪くしています。世界はグローバル化による資本の国際的移動の自由化に伴い、各国の経済政策は大きく変わりました。
自国内の資本の流出を避け、海外から投資を呼び込む為に各国政府はグローバルな投資や企業受けの良い政策を採用する様になりました。この事によりグローバルな投資家や企業は稼ぎやすくなり、経済権力も政治権力に変換されやすくなり、一般国民が政治過程から疎外される形となり、格差を生み出しました。各国国民の不満が高まり、ポピュリズムが席巻し、ブレクジットすなわち国民投票によるイギリスのEU離脱や、アメリカ大統領選挙によるトランプ政権が誕生しました。ポピュリズムは民主主義が成熟している各国の政治を変え、自国第一の保護主義へと変化して行きました。
ヨーロッパは今も不況の真っ只中にありますが、ヨーロッパの国々がこぞって保護貿易政策を進める事で共通市場が無くなっていけば、ヨーロッパの貿易量は激減し、経済が収縮してしまいます。アメリカにおいても保護貿易では経済活動が低調になり、企業の収益が落ち、労働者の賃金も下がると言われています。
現在のこの流れを受け、先行に不透明が漂う事から、世界のマネーは安定した株や円や預貯金に向かっています。14日にFRBが年内2回目となる追加利上げに踏み切るものの、円はたいして安くなりません。円が安全資産と評価されているからなのでしょう。現在の日本は国内消費が牽引力になっておらず、外需( 輸出 )でしか景気の良し悪しを判断出来ない状態になっており、日本の景気は円次第で円安であれば、そこそこの景気が維持でき、逆に円高になればデフレ状況を招いて景気は悪化すると言われています。
日経平均を見ても円と完全に絡んでいる状況で、日本の主要銘柄の電気、自動車は円安になると大儲けし、円高だと大損するなど、殆ど経営努力とは関係のない状況となっており、業績は為替次第の会社がずらりと並んでいる状況です。この事を受けてか、日本においても守りの姿勢が色濃くなっています。金融機関に預金が集まり続け、日銀のマイナス金利政策で金利はほぼゼロにも関わらず、預金残高は過去最高の1000兆円を超し、個人の金融資産1800兆円の半分以上を預金が占める形になっています。いくら預金が増えても金融機関もマイナス金利により国債の運用の収益が低くなっており、不景気により企業の貸し出し先も見つけにくくなっており、市中にお金が回らず経済活動が萎縮して行く状況になっています。
この世界的な守りの流れは、今回のジュエリーショーにおいても如実に表れていました。来場者数は激減し、初日は例年ごった返した雰囲気になるのですが、今回は少し閑散とした状態でスタートした様に思われました。お越しになられたバイヤーの方々も購入されるとしても余程お値打ちな価格の商材か他には無い珍しい商材は購入されるものの今迄にある商材や何処にでもある商材には手を出されません。
現在ではユーザーのお客様の財布の紐が堅くなっており皆様在庫の流れが良くなく、売れてもようやく売れて同じ様な商材の補充をされる気分ではない様です。この状況を受け、今後のマーケット相場は大幅に下がるのではないかと言う声が多く聞かれました。今後は何が下がり、何が上がるのかの判断が重要になりそうです。全体的に良くない雰囲気の中でも、現在のマーケットに合った商材を取り揃え、お値打ちな価格で販売されていた企業には多くの来場者が集まっていた様です。
売れ行く商材の範囲は段々小さくなって来ていますが、その小さな範囲のニーズに応えなければ今後はないものと思われます。当社と致しましても次回ジュエリーショーにおきましては、皆様に喜んで頂けるブースでお迎え出来ます様、リスタートの気持ちで努力して参ります。現在の状況下にも関わらずお越し頂きました皆様には心よりお礼申し上げます。有難うございました。