2018年6月21日から24日の4日間の日程で、Hong Kong Convention & Exhibition Centreおいて開催されました Hong Kong Jewellery & Gem Fair JUNEに出展して参りました。
今月12日一時は取り止めになるかと思われた米朝首脳会談が行われ、この会談で非核化に向けた合意がなされ、今後朝鮮戦争の終結や朝鮮半島の統一に向かうのではという期待感から、地政学リスク後退を好感し、安全資産とされる金や円が売られ日本株が買われる展開となり、円相場は110円台半ばに、日経平均株価は200円強上昇し、2万3000円を上回りました。翌13日にはアメリカにおいてFRBはFOMCで3ヶ月振りの利上げを決めました。アメリカでは景気回復局面に入り物価が上昇し始め、物価指数の多くはFRBが目標とする2%に到達し、景気と雇用は上昇していると判断された為の様です。
今後アメリカの金利上昇により世界のマネーがアメリカに向かうと予想されています。景気拡大でアメリカの金利はただでさえ上がりやすい状況ですが、そこにトランプ大統領の経済政策が上昇に拍車をかけています。大型減税と財政拡大により財政赤字の膨張が加速するとアメリカ財務省はアメリカ国債の増発に乗り出す事が予想され、その為にアメリカ長期金利の上昇、債権価格の下落圧力が一段と高まっていく事が予想されています。アメリカの国債は世界のあらゆる資産運用の基準となっており、今後アメリカ国債の動きが世界の景色を一変させるやもしれません。
現在の世界経済はアメリカ、中国の二大経済大国が主導する形となっていますが、政治的なリスクが弱まればますますこの形は強くなって行く事が予想されます。アメリカでは高金利が世界のマネーを引き寄せ、アメリカ企業が海外に持つお金の還流のダブル効果で、今後の好景気が予想されます。中国においてもBATと呼ばれるバイドゥ、アリババ、テンセントの3社の急成長、それ以外にもシャオミ、ディディチューシン、モバイクと言った深センを拠点とするICT企業の勃興により今後のますますの成長が予想されています。現在の世界の時価総額トップ10企業にはアメリカと中国の企業しかおらず、10年前とはそこに名を連ねる企業の顔ぶれは全く変わっています。日本企業はもはやトップ20に入っていません。
ユニコーン企業もアメリカは108社、中国は58社となっており他の国と大きな差を広げています。現在は格差社会と言われていますが、今後ますます人材格差、経済格差が広がって行くものと思われます。この傾向は今回のジュエリーショーにも表れていた様に思われます。ジュエリーショーの初日より多くのバイヤーの方々がお越しになられました。ですがアメリカや台湾といった国の方々もいらっしゃいましたが、ほとんどが中国人バイヤーの方々であった印象を受けました。様子見の方が多い中、中国人バイヤーの方々は購入意欲が高く高額な商材であっても価格と品質がマッチすれば躊躇なく購入されていた様に思われました。今回のジュエリーショーは中国人バイヤーの方々により盛り上がりを見せたといっても過言ではないでしょう。
また、これまで中国においては我々の取り扱う宝飾品に35%の輸入関税が課せられていましたが、7月より10%となる事が決定しており、今後はますます中国向けの宝飾品の取り扱いは増え、盛り上がりを見せる事が予想されます。
今後はこの二大経済大国間で報復関税をめぐる米中貿易摩擦が警戒される状況となっており、この両国の動向により世界中が影響を受ける事となり、この影響は我々の業界にも及ぶとも考えられます。我々の業界は現在大きな転換期にあり、今後大きく流れが変わるやもしれません。
今回この様な状況下でも多くの方々にご来場頂きました。今回ブースにお越し頂きました方々は購入意欲旺盛で前向きの方々が多かった様に感じられました。現在我々の業界も良い状況とは言えませんが、今回感じた事は動く方と動かない方、ここにも今後ビジネスの格差が広がると感じられました。前向きに動く方々に今後もお立ち寄りいただけるブースをご提案出来る様努力して参ります。今回お越し頂きました皆様に心より御礼申し上げます。有難うございました。次回ジュエリーショーにてまたお会いしましょう。