第14回 国際宝飾展 秋(秋のIJT)

期間
2026/10/28〜2026/10/30
会場
パシフィコ横浜
ブース
Y11-1
1
展示会情報

 2026年10月28日より30日の3日間の日程で パシフィコ横浜において開催されました 第14回 国際宝飾展 秋 に出展してまいりました。

 2026年も残すところ2ヶ月余りとなりました。今年の宝飾業界を振り返ると、金価格の上昇や為替変動など、相場に大きく振り回された一年であった様に思われます。しかし、ここへ来て単なる変化以上に宝飾品を買う理由そのものが変わり始めていると感じられます。

 これまでジュエリーは、記念日や婚礼、贈答品といった人生の節目に購入されることが多い商品でありました。しかし現在では、自分自身の為に購入する、自分の資産として持つ、将来売却することまで考えて購入するなど、消費者の価値観は多様化しています。特に金価格が歴史的な高値圏となったことで、消費者もジュエリーに使われている素材そのものの価値を以前より意識する様になりました。

 デザインが気に入ったから購入するだけでなく、この商品にはどの程度の価値があるのか、将来的に価値が残るのかという視点を持つ消費者が増えている様に感じます。一方で、価格が高くなったからといって、高額商品がすべて売れなくなったわけではありません。希少性の高い宝石、特徴のあるデザイン、ブランドジュエリーなど、購入する理由が明確な商品については以前として需要があります。逆に、中途半端な価格帯で特徴の少ない商品は、以前より選ばれにくくなっているではないでしょうか。

 今後は高い商品か安い商品かという二極化ではなく、購入する理由のある商品か、購入する理由のない商品かという二極化が進んでいく様に思われます。この事は小売店だけではなく、我々卸業者の仕入れにも大きく関係してきます。以前であれば、ある程度価格に魅力があれば販売できた商品でも、価格だけではもはや通用せず、商品の背景や希少性、デザイン、価格の根拠まで含めて提案する力が必要になってきていると感じます。

 また、今後注目したいのがリユースジュエリーの位置付けです。これまでリユース宝飾品は新品より安く購入できる商品というイメージが強くありました。しかし現在は、現在では作る事が難しい商品、重量感のあるジュエリー、古い時代ならではのデザインなど、新品にはない価値を求めてリユース品を選ぶ市場へ変化し始めています。

 金地金価格がこれだけ上昇すると、同じ重量、同じ作りの商品を新品で製造した場合、販売価格が非常に高くなります。その意味でも、過去に作られた質の良いジュエリーが再評価される可能性は十分にあると考えられます。実際、現在作られている商品よりも、過去に作られた商品の方が圧倒的にボリューム感があり、独創的な商品が多く、魅力的に感じます。

 また、SNSや動画を通じた販売も今後さらに重要になるでしょう。従来の宝飾業界は、店舗で商品を見て、販売員から説明を受けて購入する事が中心でした。しかし現在では、お客様自身がSNSやインターネットで商品を調べ、相場や中古価格まで確認した上で店舗を訪れる事も珍しくなくなりました。AIの普及によって情報収集はさらに簡単になり、販売する側と購入する側の情報格差は今後ますます小さくなっていくと思われます。

 海外市場も変化しています。中国市場だけに依存する時代から、東南アジア、中東、インドなどの市場が勢いを増しており、それぞれ異なる市場に向けた戦略が必要となりそうです。9月の香港ジュエリー同様、今回の横浜でのショーにおいても、中国人バイヤーが以前ほど目立たなくなる一方、他のアジア地域からの来場者が増えている様に感じました。今後の海外向けの販売では、どの国の、どの顧客に、何を販売するかを明確にする事が必要となりそうです。

 今回横浜で開催されたジュエリーショーは以前より少し賑わいに欠けたショーであった様に感じられました。来場者は以前より少し少なくなっていた様に思われます。海外からのバイヤーの来場者が減るのは、世界的に短期間で数多くジュエリーショーが開催されている状況では致し方ないのかもしれません。しかし、日本人の来場者が減っているのは宝飾品の現場での販売が厳しい状況であることの表れであるのでしょう。

 その様な中でも希少性がある、他に数が少ない、独創的であるなどの明確な理由のある商材の販売は好調であった様に思われました。どこにでもある様な商材は価格が安ければ販売に至る事が多かったものの、あまり探されている方はいらっしゃらなかったように感じました。ジュエリーショーにおいて売れゆく商材は新たなフェーズに入り、今後ますます狭まっていくのかもしれません。

 2026年は金価格をはじめとする相場が主役となった一年でした。しかし、2027年に向けては、相場以上に商品そのものの価値と販売する側の力が問われる年になっていくのではないでしょうか。何でも値上がりするから売れる、安ければ売れる時代ではなく、数多くの商品から価値のあるものを見つけ、その価値を正しく伝え、必要とされているお客様へ届けるという宝飾ビジネスの本来の姿になるのかもしれません。

 我々卸業者に求められるのは、単に商品を仕入れて販売するだけでなく、国内外の市場の変化を敏感に捉え、数多くの商材の中から本当に価値のあるものを見極め、お客様に提案していく事であると考えます。これまで培ってきた経験を大切にしながら、新しい市場や価値観にも柔軟に対応し、皆様に魅力ある商材をご紹介できるよう努めてまいりたいと思います。

 最後になりましたが、今回の横浜開催のジュエリーショーにおきましても多くの皆様に弊社ブースへお立ち寄り頂き、心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。次回ジュエリーショーにおきましてもどうぞよろしくお願い申し上げます。