Hong Kong International Jewellery Show 2012 が2012年2月16日から20日の5日間の日程で開催されました。
最近では欧州の債務問題より端を発した全世界的な景気の低迷は引き継いているどころか、更なる悪化の雰囲気さえ感じます。ただ今回は景気の低迷だけでなく、違った動きを感じました。最近価格の変動が緩やかだったGOLDが1トロイオンスUS$1,700-後半への上昇を始め、各現物資産(コモディティ)の上昇が目に付く様になった気がします。中国でも水や食料品の値上がりは激しい様で、かなり庶民の生活には負担になってきている様です。
余談ですが、今回行った香港の街のマクドナルドでさえ値上げが行われていました。
また、イランの核開発問題を発端とした軍事衝突に備え、原油輸送路の要衝であるホルムズ海峡封鎖と言う事にでもなれば、石油価格の高騰も避けられない様相を帯びています。
これはインフレの予兆なのか、レバレッジを駆使した資本主義経済のデリバティブ全般の終焉の予兆なのか、FRB、ECB、日米欧を中心とした先進国の金融緩和による通貨安でコモディティのみが上昇していく現在の状況をどの様に考えるかが重要だと痛感させられました。
その様な中、今回のジュエリーショーは全体的に前回よりも来場者数は少ない様に感じられました。世界的な景気低迷で各バイヤーの皆様の購買意欲は以前より少ないものの、物(商品)が世界的に少なくなっている事に加え価格が上がってきている様で、掘り出し物はないかと真剣に商品を探されていました。単価が高くても他にない物は値段に関係なく購入されていました。商品の傾向は以前は中国などではエメラルドや珊瑚といったアイテムは非常に人気がありましたが、この2つのアイテムの人気が急激に低下した様に思えました。
原因はエメラルドで、中国の鑑定機関において処理された石を何も手を加えていない天然石と言う鑑別をかなりの数発行された事による不信感からの人気低迷、珊瑚では相場の異常な高騰が元に戻ったという事だと思われます。
ただ、以前より人気のあったアイテムが駄目だから全て駄目と言う訳ではなく、今回はオパールやトルマリンと言った以前には人気のなかったアイテムが売れていました。サファイヤやルビーは以前同様好調であった様に思われます。
そして、今回はダイヤモンドの相場の上昇がみられました。数名のバイヤーの声では、通貨が下がって行く為投資目的で買われていた様です。
今回も様々な変化が香港ジュエリーショーにおいて見られました。最近では様々な変化が速く一瞬も気が抜けない状況が続いています。当社も何とかこの状況を捉え、また次を読み解く様心がけて参ります。次回ジュエリーショーも是非ご来場くださいませ。この度ご来場くださいました皆様、誠に有難うございました。